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尿路結石

このページでは尿路結石の症状・診断・治療・予防法についてご紹介しています。

はじめに

腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿路にできる結石をまとめて尿路結石と呼びます。

通常、尿路結石は腎臓の中でできて、尿管を通って、膀胱に到達し、尿道から身体の外へ出ていきます。

 

治療対象となるのは、腎臓の中で大きくなってしまった結石、尿管につまってしまった結石、膀胱の中で大きくなってしまった結石、尿道にひっかかった結石です。現在では約95%が腎臓結石あるいは尿管結石です。

 

腎臓の中で尿中のミネラルの濃度が過飽和状態になり結晶核を形成し、それが成長、凝集して結石になります。

発汗により尿量が減り、尿が濃くなる5~8月に多く発症すると言われています。

約7割の割合で男性に多い病気です。

結石の成分

シュウ酸カルシウム

約8割の結石がこのタイプで、金平糖のように表面がギザギザなので、小さくても尿管に引っ掛かりやすく、排出されにくいのが特徴です。

リン酸カルシウム

尿がアルカリ性になった時にできやすいです。

リン酸マグネシウムアンモニウム

尿路感染が原因で、男性に比べて尿道の短い女性に多い結石の成分です。

尿素分解菌が尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアにより尿がアルカリ性になり、結石が形成されます。

いったんこの結石ができると、結石が細菌を増やし、細菌が結石を成長させるという悪循環が起こり、大きな結石となりやすいです。

尿酸

高尿酸血症の人で、尿が酸性になった時にできやすいです。尿をアルカリ性にすることで溶かすことができます。

シスチン

尿路結石には遺伝性のものがいくつかあります。その代表的なものがシスチン結石です。硬くて体外衝撃波療法などで破砕しにくいです。尿をアルカリ性にすることで溶かすことができます。

症状

尿管に結石がつまると腎臓が腫れるため、腰や側腹部が痛くなります。

痛すぎて冷や汗や吐き気が出る人もいます。また血尿や残尿感が出ることもあります。

腎結石や膀胱結石では症状が出ないことも多いです。

診断

レントゲン検査や超音波検査で結石の部位や大きさ、腎臓が腫れていないかを評価します。

また尿検査により血尿の有無、感染の有無をチェックします。

感染を合併している場合や高度の水腎症を来たしている場合、尿管ステントを一時的に留置することもあります。

 

結石が排出したら病院に持参してください。成分を分析し、再発予防に役立てます。

結石の部位や大きさ、症状の有無などを総合的に判断し、治療方針を決定します。

治療

生活指導

尿量を増やすために水分を多く摂っていただきます。目標は1日2L以上です。またジョギングや縄跳びといった振動を与える運動も結石が落ちるのに役立ちます。

薬物治療

鎮痛薬、尿管攣縮抑制薬;尿管結石に伴う痛みを鎮痛薬でおさえます。痛みにより尿管が攣縮しますが、これを抑えることで結石の排出も促されます。

結石排出促進薬

結石の排出を促す薬です。

結石溶解薬

尿酸やシスチンが成分の結石に対しては尿をアルカリ性にすることで溶かすことができます。

 

直径5mm以下の結石であれば自然に排出することが多いです。10mmを超える場合、あるいは水腎症だとなかなか自然には排出しませんので以下の手術療法が必要です。

手術療法

薬物療法で結石が排出されない場合や、水腎症や感染を来たしていれば、手術療法が必要になることがあります。

体外衝撃波結石破砕術

腰から衝撃波を1時間で3000発ほど当てて、尿路結石を砕く治療です。細かくなった結石は尿道より排出されます。

経尿道的尿管結石摘出術

麻酔をかけて尿道から尿管鏡を挿入し、レーザーで結石を破砕し、破片を摘出する治療です。最近増えています。

経皮経腎的腎結石摘出術

麻酔をかけて腰に1cmほどの皮膚切開をおき、腎臓へトンネルを作り、そこから内視鏡を挿入して結石を破砕する治療です。

尿管切石術

お腹を切って尿管結石を摘出する方法です。内視鏡手術で結石が取れないときに選択されますが、最近ではほとんど行われていません。

 

当院は名古屋徳洲会病院、春日井市民病院、名古屋大学医学部附属病院と提携しており、紹介状をもって受診していただきます。

手術が終わったあと必要であれば当院に通院していただくことも可能です。

予防法

尿路結石は一度やると50%の方が10年以内に再発すると言われています。そのためには以下の予防法が効果があると言われています。

水分摂取

発汗の多くなる5-8月に尿が濃縮しないように水分を多くとるようにしましょう。

だからといってアルコールを大量に飲むのは逆効果です。ビールにはシュウ酸や尿酸のもとになるプリン体が大量に含まれています。

食事療法

尿路結石の約80%はシュウ酸カルシウムを主成分としたものです。

これを予防するためにはシュウ酸を摂取しないようにすることが大切です。

シュウ酸は腸管内でカルシウムと結合するとシュウ酸カルシウムとなり吸収されなくなるので、シュウ酸の吸収を抑えるためにはカルシウムを多く含む食事を摂るようにしましょう。

 

また脂肪は腸管内でカルシウムと結合してしまうので、脂肪の摂取は減らしましょう。

牛肉や豚肉より、鶏肉や魚のほうが尿路結石になりにくいと言われています。

 

かつてはほうれん草は食べてはいけないと言われていましたが、食べ過ぎなければ大丈夫です。

薬物療法

結石を繰り返す体質の方は結石ができにくくする薬や尿をアルカリ性にする薬を飲んだ方がいいでしょう。

また尿酸値が高い方は尿酸を下げる薬を飲む必要があります。

 

これらの予防法は数か月頑張るだけでは意味がなく、生涯続ける必要があります。

またどんなに頑張っても再発するときは再発します。

無理のない範囲で長く続けられる方法を見つけることが大事だと思います。

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