膀胱がん
このページでは膀胱がんの症状・診断・治療についてご紹介しています。
はじめに
膀胱にできる癌で、ほとんどの癌は膀胱の内側を覆う尿路上皮から発生します。
膀胱癌は膀胱の壁にどのくらい浸潤しているかによって、表在癌と筋層浸潤癌に分けられます。
表在癌はほとんど遠隔転移することなく、また手術するにしてもほとんどの場合、膀胱を温存することができますので、表在癌のうちに見つけ、治療することがとても大事です。
タバコがリスク因子となります。
膀胱癌の深達度
参考資料:日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会編 腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 第1版.2011年,金原出版
症状
自覚症状としては肉眼的血尿で見つかることが多いです。
そのほか検診などで尿潜血を指摘され、精密検査で膀胱癌が見つかることもあります。
診断
膀胱鏡で膀胱内を観察し、癌の有無をチェックします。
当院では最新の軟性膀胱鏡を準備していますので、男性でもそれほど痛くはありません。異常がなければ1分以内に終わる検査です。
そのほか尿を顕微鏡で観察し、癌細胞が混じっていないかチェックします(尿細胞診検査)。
癌と診断された場合は腎臓や尿管に腫瘍がないか、リンパ節や肺などに転移がないかCT検査なども必要です。
治療
診断と治療を兼ねて経尿道的膀胱腫瘍切除術が行われます。
通常1週間以内の入院で、5から30分ほどの手術となり、術後もそれほど強い痛みはありません。
当院は名古屋徳洲会病院、春日井市民病院、名古屋大学医学部附属病院と提携しており、紹介状をもって受診していただきます。
術後の病理検査で低リスクの表在性腫瘍と診断されれば、これで治療が完結します。
高リスクの表在性腫瘍と診断されれば、予防のために抗癌剤やBCGを膀胱内に注入する治療を行う場合もあります。
浸潤性膀胱腫瘍と診断されれば、全身抗癌剤療法や膀胱全摘術を選択することが多いです。