間質性膀胱炎
このページでは間質性膀胱炎の症状・診断・治療についてご紹介しています。
はじめに
膀胱は尿を溜める臓器で、尿路上皮というとても強力なバリアで覆われています。
何らかの原因でこのバリア機能が低下すると尿が膀胱にしみるようになり、痛みや尿意切迫感、頻尿の原因となります。
9:1の割合で女性に多い疾患です。QOL(生活の質)を大きく低下させます。
症状
一番特徴的な症状は『尿がたまってくると痛くなる』ということです。
また十分に尿がたまる前から尿意を感じるということも特徴です。
これにより頻回にトイレに行く、夜間にトイレのために何回も起きる、尿を我慢するのが難しいといった症状が現れます。
診断
膀胱鏡にて膀胱の中を観察します。
ハンナ病変という粘膜の異常があれば真の『間質性膀胱炎』、無ければ『過知覚膀胱』と呼ばれます。
特徴的な所見として膀胱を拡張したあとに縮ませると、粘膜から五月雨のような出血がみられます。
ハンナ病変を有する間質性膀胱炎は難病に指定されています。院長は難病指定医です。
治療
食事療法
刺激の強い食事は避けるようにしましょう。
具体的にはアルコール、柑橘類、コーヒー、香辛料、クエン酸、炭酸飲料などです。
患者さんによって膀胱痛が強くなる食品は違いますので、ご自身にはどの食品が合わないのかを把握するとよいでしょう。
薬物治療
DMSO製剤
2週間間隔で6回膀胱内に注入します。間質性膀胱炎に対して保険収載されている唯一の薬剤です。
漢方薬
膀胱の抗炎症作用、血流改善作用を有し、痛みが軽くなります。
鎮痛剤
対症療法として痛み止めを使います。
膀胱水圧拡張術
麻酔をかけて膀胱に水を入れていき、膀胱を広げます。ハンナ病変を電気メスで焼灼することもあります。
間質性膀胱炎はどの治療をしてもなかなかすっきり治らない、やっかいな病気です。
少しでもいい状態を見つけ、長く付き合っていく工夫をしていくことが大切です。