セルフチェックでしこりを触れる場合、乳癌以外の腫瘤として以下のようなものがあります。

 

正常乳腺

月経周期に伴って女性ホルモンが正常乳腺にも作用し乳腺が発達すると、腫瘤のように触れることがあります。

 

線維腺腫

外来診療で最も頻度の高い代表的な良性腫瘍です。特徴として同一乳房内に多発したり、徐々に成長したりします。

 

一定の大きさになると成長を止めるものも多いのですが、特に若い方の場合「若年性線維腺腫」といって、巨大化するものがあります。

 

通常は放置しても大丈夫ですが、いびつな形をしていたり、ある一定の大きさを超えて成長をし続けるものは癌との鑑別が難しいため、摘出を提案する場合もあります。

 

葉状腫瘍

画像の形状や細胞診で採取される細胞の内容が線維腺腫と類似していますが、急速に大きくなることが多いのが特徴です。

 

ほとんどは良性(良性型)ですが、中には良性と悪性の間のもの(境界型)、転移を起こす可能性がやや高い悪性のもの(悪性型) があります。一つの腫瘍の中に各タイプが混在していることもあります。

 

いびつな形をしていたり、巨大化するものは悪性の可能性も考え、摘出する必要があります。

 

乳腺嚢胞

乳腺分泌液の流れが滞り、乳管が局所的に膨らむことでできる液体貯留であり、しばしば見られます。

 

乳腺だけでなく、甲状腺や、肝臓、腎臓、膵臓など、液体を分泌する様々な臓器にできます。また数が増えたり減ったりします。

 

癌になることはありませんが、まれに壁の一部から癌が発生することもありますので、超音波検査で充実成分がないかチェックすることが必要です。