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高尿酸血症

このページでは高尿酸血症の症状・診断・治療についてご紹介しています。

はじめに

プリン体とは、DNAやRNAといった核酸の構成成分です。食べ物から摂取したり体内で合成されたりします。

このプリン体が肝臓で分解されてできる老廃物が尿酸ですが、ある程度までは血液に溶け、3分の2は腎臓から尿中に、3分の1は腸管から便中に排泄されます。

 

しかし、尿酸が過剰に生成されたり、腎臓が尿酸を十分に排泄できなかったりする場合に、血中尿酸濃度が上昇します。女性ホルモンには腎臓から尿酸の排泄を促す作用があるため、患者さんの大半は男性です。

他の生活習慣病は年齢とともに有病率があがりますが、高尿酸血症は30~40歳台の男性でもっとも高頻度にみられる点が異なります(25~30%ほど)。

症状

血液中の尿酸が高いだけでは自覚症状はありませんが、関節軟骨表面で結晶化した尿酸が何かの拍子に剥がれ落ちると炎症が起こり、痛風発作が起こります。

痛風関節炎は特に足の親指の付け根など小さい関節に生じることが多いです。そのほか、くるぶし、膝、アキレス腱などにも起こります。通常は数日でおさまりますが、高尿酸血症が放置されれば何度も発作を繰り返したり、関節の変形や運動制限などにいたることもあります。

 

また腎臓から尿中に排泄された尿酸が腎臓の中で析出すると尿路結石となりますが、これが尿管につまると背中に痛みが生じたり、腎機能障害を引き起こしたりします。

 

加えて近年では高尿酸血症が動脈硬化と関連していることも明らかになってきており、心筋梗塞、脳卒中、腎機能低下などのリスクとなることも数多く報告されています。

基準値

健康な方では9.0mg/dL以上で治療を開始します。

ただし尿路結石や動脈硬化性疾患のある方では8.0mg/dLで、痛風の方では7.0mg/dLで治療を開始します。

原因

尿酸が過剰に生成されるか、尿酸の排泄が低下することが原因です。日本人には排泄低下型が多いとされています。

また内臓脂肪型肥満では尿酸生成過剰と排泄低下がともに起こります。

アルコールを摂取すると肝臓でのプリン生成が亢進するとともに、その過程で産生された乳酸は尿酸の排泄を阻害します。

治療

生活習慣の改善として、食事量とアルコール量を減らす、プリン体の摂取を控える(ビール、レバー、魚の干物、魚卵)、有酸素性運動を行い内臓脂肪を減らす、などが有効です。

 

痛風と言えばプリン体を含む食品やプリン体offのビールのイメージが強いですが、最近はカロリー制限が重視されています。低カロリーで尿酸排泄を促進する食物繊維を多く含む食品(野菜やキノコ)はおすすめです。

 

薬物療法としては、尿酸の生成をおさえる薬と尿酸の排泄を促す薬があります。尿路結石のある方には尿酸の生成をおさえる薬を使用します。

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