花粉症
このページでは主な花粉症の種類と治療法についてご紹介しています。
はじめに
花粉症は、植物が放出する花粉に対する過剰な免疫反応によって起こるアレルギー疾患です。
多くの方が悩まされており、日本アレルギー学会によると、成人の約20%、子供の約10%が花粉症であると言われています。
花粉症を引き起こす植物はスギ、ヒノキ、ススキなどのイネ科の植物、シラカンバ、ヨモギ、ブタクサなどです。
花粉が飛散する季節は植物ごとに異なり、複数の植物の花粉にアレルギーがある場合、それぞれの花粉の季節に症状が現れます。
発症は、遺伝、環境要因、免疫系のバランスの変化などが関与しており、アレルギー体質であったり、家族歴があったり、免疫力が下がっていたりするとなりやすい傾向があります。
早春から初夏(2月から5月頃)
スギやヒノキなどの針葉樹の花粉が飛散します。
初夏から夏(5月から7月頃)
イネ科(イネ、ヨモギ、ハルジオンなど)の花粉が飛散します。
夏から秋(8月から11月頃)
セイヨウナシ(洋梨)の花粉が飛散し、ナシ花粉症の症状が出ることがあります。
また、9月から11月にかけては、ヒルガオ(フウリン草)などの雑草花粉が飛散することがあり、雑草花粉症の患者も増えます。
症状
花粉症の主な症状は、突然の繰り返すくしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりの3つですが、ほかに目のかゆみ、充血、咳、喉のかゆみ、皮膚のかゆみ、疲労感なども見られます。
いずれも体内に入り込んできた花粉を体外に排出しようと免疫系が過剰に反応することによって引き起こされます。
症状は、花粉の飛散量や個人のアレルギー反応によって異なります。症状は花粉が飛んでいる期間ずっと続きます。
治療
日常生活の対策
- 室内での花粉対策
花粉の飛散期には室内で過ごすことが重要です。窓を閉め、エアフィルターを使用し、花粉の侵入を防ぎましょう。 - 外出時の対策
外出時には、マスクやサングラスを着用し、花粉の直接的な接触を避けましょう。また、外出後に服や髪を洗うことも大切です。 - 食事の工夫
ビタミンCや抗酸化物質を多く含む食品を摂ることで、免疫系を強化しましょう。また、辛い食品やアルコールの摂取を控えることも症状の軽減に役立ちます。
薬物療法
- 抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬
花粉症症状を軽減する飲み薬です。副作用として眠気があるため、車の運転には注意が必要です。 - 鼻噴霧用ステロイド薬
鼻汁や鼻のかゆみを軽減するために処方されます。 - 点眼薬
目のかゆみ、充血、流涙をおさえます。 - 舌下免疫療法
アレルゲンから抽出したエキス薬を一日一錠、舌の下に含んで、身体を慣れさせることによって、アレルギー症状が起こりにくくする治療法です。詳しくは下記をご覧ください。 - 手術療法
レーザーや高周波で鼻の奥の粘膜を焼いて、鼻汁が出ないようにします。
当院の舌下免疫療法について
日本ではスギ花粉とダニに対して舌下免疫療法薬が保険適応となっております。
アレルゲンから抽出したエキス薬を一日一錠、舌の下に含んで、身体を慣れさせることによって、アレルギー症状が起こりにくくする治療法です。
治療を始めてから3ヵ月目ぐらいから効果が現れます。長く続ければ続けるほど効果が上がりますが、3年間続けた場合、80%の方で花粉症症状が見られなくなります。
また治療を終了すると5人に1人の方で5年以内に花粉症が再発しますが、再び舌下免疫療法を始めれば、すぐに花粉症症状が見られなくなります。
そのため当院では、最初の3年間はしっかりと治療を続けていただき、1シーズン様子を見ます。
花粉症症状が見られない方はそのままですが、花粉症症状が再発する方には、毎年1月と2月のみの短期免疫療法をおすすめしています。
副作用としては最初の1-2か月に口腔内の腫れや違和感が見られることがしばしばあります。またアレルギー反応が起こる可能性がありますが、非常にまれです。
費用は3割負担の方で、1回の診察あたり600円ほど、薬剤費は1か月あたり1900円ほどです。5歳以上から治療できます。